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大学院修士課程での研究生活について書いています

国際会議にfull paperを投稿した話

こっちのブログ全く更新してなかったのでたまには書いてみる.

とある国際会議にfull paperを投稿した.

投稿したのはJSTで8/28.だいぶ余裕をもっての投稿だったが,投稿した直後に締め切りが伸びた.なんでやねん.

内容は今年の5月〜7月に取り組んでいたものをまとめたもので,特定のワークロードにおいてChainerのMultiprocessIteratorを魔改造し,訓練データをreadしてミニバッチを生成するまでの所要時間を高速化する手法の提案である*1.この手の研究,2018年頃から急に増加してきており,ほぼ同じアプローチの研究がすでに複数あるためAcceptは厳しいと考えている.ただ,I/Oに関係する研究はどれもそうだと思うが,パフォーマンスがWorkloadに強く依存する傾向にあるため,「どのWorkloadでもSOTA」という手法は基本的に存在しないと考えている.実際,自分は「共有ストレージが提供されており,計算ノードにローカルストレージを積んでいる共用HPCクラスタ」という環境で「ImageNetを訓練データとして使用する」というWorkloadに限定した手法を提案している.なので,このWorkloadにおける有効性や貢献度が高いと判断されたらAcceptの可能性はなくもないと考えているが,如何せんHPCクラスタを前提としていると見られる先行研究が多いので,どうなることやら.需要はないかもしれないが,いっそのこと,特定のIaaS縛りの環境における高速化,みたいなことを研究するとまだブルーオーシャンかも知れない.

英語での論文投稿について

今回投稿したのはいつものIPSJのHPC研究会ではなく国際会議なので英語で原稿を執筆した.

手元のメモから大体どれぐらい時間がかかったのかを類推すると大体以下の通りであった(1日を8時間とみなし,0.5日以上は1日に切り上げ).

  • SWoPP2019で受けたツッコミをディフェンスするための再評価: 1日
  • SWoPP2019に投稿した予稿を日本語で再構築: 2日
  • 英訳: 10日

英訳は指導教官の修正を受けながら行ったが,それでもベースは自分で全部英訳せねばならないためかなり時間がかかった.文量としては2カラム A4のよくある論文フォーマットでだいたい9ページぐらいになった.やれやれである.

*1:SWoPP2019でも一部発表済みの内容だが査読中なので詳細は控える